- しん
- I
しん【信】※一※ (名)(1)あざむかないこと。 いつわらないこと。 忠実なこと。 まこと。 儒教では五常の一つとされる。(2)疑わないこと。 信頼すること。 信用。
「~を失う」
(3)宗教に帰依すること。 また, 信仰する心。 信心。「~をおこして, 戒を持(タモ)ちて/今昔 19」
※二※ (接尾)助数詞。 序数詞に付いて, 特定の発信人から来た通信の着順を表すのに用いる。「アメリカからの第一~」
~あれば徳あり信心すれば必ず福徳が報いられる。~は荘厳(シヨウゴン)より起こる〔信心も寺堂の立派な装飾から始まるという意で〕内容は形式によって導かれるというたとえ。~を致(イタ)・す深く信仰する。「深く~・しぬればかかる徳もありけるにこそ/徒然 68」
~を置・く信用する。 信じる。「絶対の~・いている」
~を問・う自分を信用しているかどうかを相手に尋ねる。II「国民に~・う」
しん【参】二十八宿の一。 西方の星宿。 オリオン座の中心部にあたる。 参宿。 からすきぼし。IIIしん【寝】寝ること。 眠り。 ねどこ。IV「~に就く」
しん【心】(1)こころ。 精神。「~・技・体」
(2)心のそこ。 本心。「~から納得する」「~は素直な子だ」
(3)物の中央。 中心。 多く「芯」の字が用いられる。 (ア)物の中心にある硬い部分。 「鉛筆の~」(イ)飯粒などの煮え切らない硬い部分。 「ごはんに~がある」(ウ)物の中心部。 「体の~まで暖まる」「バットの~で打つ」(エ)衣服の襟・帯などの中に入れて形が崩れないようにするための布。→ 芯(4)〔仏〕(ア)対象を捉え, 思惟するはたらきをもつもの。 主観。 精神。⇔ 色(イ)「心王(シンノウ)」に同じ。(5)心の臓。 心臓。(6)二十八宿の一。 東方の星宿。 蠍(サソリ)座のアンタレスほか二星をいう。 心宿。 なかごぼし。(7)信仰心。 信。「この月頃まうでで過しつらむと, まづ~もおこる/枕草子 120」
(8)〔江戸の幼児語〕仲間。「ああ, あんな馬鹿は~に入れないよ/滑稽本・浮世風呂2」
~が疲・れる体の奥深くや, 神経が疲労する。Vしん【新】※一※ (名)(1)新しいこと。 新しいもの。⇔ 旧「~と旧との対立」(2)作物などの今年とれたもの。「これは~のタマネギだ」
(3)「新暦」の略。 現行の太陽暦であるグレゴリオ暦のこと。⇔ 旧「~の正月」(4)議会議員の候補者で, 過去に一度もその職についたことがないことを表す。「無所属~」
→ 前※二※ (接頭)名詞に付いて, 「新しい」の意を添える。VI「~芽」「~じゃが」「~代議士」「~一年生」
しん【新】中国, 前漢を簒奪(サンダツ)した王莽(オウモウ)が建てた王朝(8-23)。 急激な復古主義政策により豪族・人民の不満を招き, 15年で滅亡した。VIIしん【晋】(1)中国, 周代の諸侯国の一((?-前376))。 汾水(フンスイ)流域(山西省)を中心に紀元前七世紀頃から強盛になり, 南方の楚(ソ)と対立したが, 春秋時代末期に国土は韓・魏(ギ)・趙(チヨウ)に三分され滅んだ。(2)三国の魏の権臣司馬炎が建てた王朝(265-419)。 都は洛陽(ラクヨウ)。 280年呉を滅ぼし中国を統一したが, 八王の乱により衰え, 316年匈奴(キヨウド)の劉曜に滅ぼされた(西晋)。 翌年, 一族の司馬睿(シバエイ)は建業に拠(ヨ)り晋を再興したが, 419年将軍の劉裕に滅ぼされた(東晋)。(3)五代の一。VIIIしん【清】中国最後の王朝(1616-1912)。 女真族出身のヌルハチが諸部族を統一して後金(コウキン)国を建て, その子ホンタイジ(太宗)が国号を清と改めた(1636年)。 順治帝の時, 明の滅亡に乗じて中国内地に進出, 北京に遷都。 康煕(コウキ)・乾隆(ケンリユウ)の頃最盛期を迎えたが, 以後農民反乱の続発と欧米列強の外圧とに苦しみ, 辛亥(シンガイ)革命によって滅んだ。IXしん【真】(1)まこと。 本当。 ほんもの。 真実。 真正。「~と偽を見分ける」「~の教養」
(2)真理。「~・善・美」
(3)まじめなこと。 真剣なこと。 また, そのさま。「何か~になつて話をしてゐたのが/其面影(四迷)」
(4)〔論〕 命題のとる真理値の一。 二値論理では真・偽の二値のみをとるが, 多値論理では三つ以上の値をとり得る。⇔ 偽(5)漢字の字形をくずさない書き方。 楷書。 真書。「~・行・草」
(6)漢字。「~で書いて有るに依つて読めぬ/狂言・粟田口(虎寛本)」
(7)「真打ち」の略。「~を打つ」
→ 真に~に迫・るほんものと同じように見える。 いかにも本当らしく感じられる。X「~・る名演技」
しん【神】〔「じん」とも〕(1)精神。 心。「そゞろに人をして~飛び魂(コン)馳するの情に堪へざらしむ/日光山の奥(花袋)」
(2)かみ。「~を敬ひ国を護る/謡曲・竹生島」
~に入(イ)・る技術が非常にすぐれ, とても人間わざとは思えないほどである。XIしん【秦】(1)中国最初の統一王朝。 周代の諸侯国の一, 戦国七雄の一として渭水(イスイ)盆地に進出。 紀元前四世紀以降急速に発展し, 周室を討ち, 始皇帝の時, 六国を滅ぼして天下を統一(前221年)したが, 三代15年で滅んだ(前207年)。(2)五胡十六国時代の王朝。 前秦・後秦・西秦の三王朝。XIIしん【箴】(1)戒め。 戒めのことば。(2)箴言(シンゲン)。XIIIしん【紳】高貴の人が礼装用にしめる幅広の帯。 ふとおび。XIVしん【臣】※一※ (名)主君に仕えている者。 家来。 臣下。⇔ 君「股肱(ココウ)の~」※二※ (代)一人称。 家来が主君に対して自らをへりくだっていう語。XV「忝(カタジケナ)く~等が曩祖(ノウソ)を思へば/平家 7」
しん【芯】〔物の中央・中心の意〕(1)花の中心にある器官。 雄しべや雌しべ。(2)〔原義は, 灯心草(トウシングサ)つまり藺(イ)のこと。 その皮をはいだ心を用いたことから〕ランプ・ろうそくなどの中央にある火をつける糸。(3)草や木の, いちばん伸びる部分。XVI「~を摘む」「~を止める」
しん【親】(1)したしいこと。 したしみ。 よしみ。⇔ 疎「両隣と~を結ぶ」「~・疎の別なく」(2)親・兄弟などの近親者。 親族。 みうち。~は泣き寄り、他人は食い寄り不幸のあった時, 肉親や親類の者は悲しんで集まるが, 他人はただ食べ物にありつくために集まるだけである。XVIIしん【讖】未来の禍福吉凶を説くこと。 予言。 また, それを記したもの。 未来記。XVIIIしん【軫】(1)牛車(ギツシヤ)の床縛(トコシバリ)の上にある横木。(2)七弦琴の糸巻の部分。(3)二十八宿の一。 南方の星宿。 軫宿。 みつかけぼし。XIXしん【辛】十干の第八。 かのと。XXしん【震】易の八卦(ハツケ)の一。 算木で, ☶の形で示す。 雷を表し, 東の方向に配する。
Japanese explanatory dictionaries. 2013.